フィンランドの音楽家Lau Nauと、NYC発の前衛的トリオSontag Shogunによる最新作『Päiväkahvit』は、2019年夏にフィンランドのキミートゥーン島で行われた親密なセッションをきっかけに生まれました。パンデミックという予期せぬ荒波を経て、混乱の時代に静かな安らぎと共鳴をもたらした前作『Valo Siroutuu』の物語を受け継ぎ、完結させる作品として位置づけられています。当時のオリジナル・セッションからの9曲に加え、Amulets、Fadi Tabbal、Post-Dukes、Jeremy Youngによる4曲のリワークを収録しています。フィールドレコーディングやテープ音源、アコースティックとエレクトロニクスが交錯し、ボーカルメロディが全体をやさしく包み込みます。雨音に始まり、やがてピアノと声が陽光を招き入れるように、音の流れはシームレスに移り変わり、豊かな質感と温もりに満ちていきます。その奥には、凛とした静けさや透明な光を思わせる響きが宿り、聴き手を詩的で深い余韻へと導いてくれる作品です。[GRRRDEN]