実験的アンサンブル Copenhagen Clarinet Choir と、デンマークの作曲家／パフォーマー Anders Lauge Meldgaard によるコラボレーション作品『Jeux d’eau』。クラリネットの有機的な音色と、New Ondomoや電子音の繊細なテクスチャーが重なり合い、互いの響きを聴き合いながら、自由な対話と即興によって紡がれる、遊び心と想像力に満ちたアンサンブル。作品の着想源となったのは、イタリア・ティボリにあるヴィッラ・デステの庭園。そこに満ちる水の音にインスピレーションを受け、かつての作曲家たちが同じ地から紡いだ音楽の系譜を継承しながらも、新たな響きの領域へと開いていきます。テリー・ライリーやスティーヴ・ライヒを思わせる反復の構造をもちつつも、ヨーロッパ後期ロマン派の叙情性や、日本的な静寂感を漂わせる独自の音世界が広がります。

本作は「水へのオマージュ」であると同時に、人間と自然との繊細な関係性にそっと光を当てています。水が形を変えながら流れ続けるように、音楽もまた変容を繰り返し、環境が絶えず移ろう存在であることを思い出させてくれるようです。自然のダイナミズムとその循環を音で描く本作は、私たちが自然とともに生きるために、そっと耳を澄ませることの大切さを気づかせてくれるような作品。東京拠点のレーベル【conatala】からのリリースです。[GRRRDEN]