JAB名義での活動や、Christina Vantzouとのデュオ「CV & JAB」でも知られる、作曲家／フルート奏者／マルチ・インストゥルメンタリスト、John Also Bennettによる2025年最新作が〈Shelter Press〉からリリース。

本作は、バスフルートとヤマハDX7iiシンセサイザー、フィールドレコーディングを組み合わせ、静かな吐息と日常の音が溶け合うミニマルな美しさを描き出しています。
霧に包まれた早朝、朝日に照らされるパルテノン神殿を望むアテネのスタジオで録音され、古代から現代へと流れる情感豊かなミニマリズムが息づいた9曲が収録されています。

タイトル『Ston Elaióna』はギリシャ語で「オリーブの木立の中で」を意味し、都会の喧騒に囲まれた古い丘陵地帯での静寂の瞬間、教会の鐘、家庭から漏れる会話、嵐の音など、日常と神話が交錯する繊細な音風景を紡いでいます。古代神話からのインスピレーションと日常の体験を交差させながら制作された楽曲の中には、現存する世界最古の楽曲『Seikilos Epitaph』のカバーも収録。

音の向こうには、霧の中から立ち上るように静かに情景が浮かび上がり、古代の世界が現代に息づくアテネの息遣いを感じさせる、深く情感豊かな音像が広がるエレクトロアコースティック作品です。部屋の窓から差し込む朝日や、夕陽に染まる空を眺めながら、じっくりと耳を傾けたくなる一枚です。[GRRRDEN]