ロシア出身のシンセ奏者 Vladimir L. とフルート奏者 Anastasia Mikhaleva によるデュオ、**Vengeance des Fleurs**。2023年、ジョージアの首都トビリシにてTelegramのチャットを通じて結成、その後港町バトゥミにあるスタジオで再会し、即興的なセッションを重ねてきました。その記録とも言えるセルフタイトルのデビュー作が、USのアンダーグラウンドレーベル【Not Not Fun】からリリース。

タイトルは、フランスの植物学者ジャン＝マリー・ペルトが手がけたポップサイエンス番組『L'Aventure des Plantes（植物たちの冒険）』に敬意を表して名付けられたもの。その名の通り、「**Vengeance des Fleurs＝花たちの復讐**」というフレーズには、有機と無機、自然とテクノロジー、静寂と混沌が交錯するような美学が宿ります。フルートの幽玄な息づかいとアナログシンセのうねりが、蛇行しながらサイケデリックに絡み合い、まるで意識の深層へと誘うようなサウンドに。初期のTangerine DreamやEmerald Webを彷彿とさせます。本人たちは「**当時の自分たちが持ち得なかった“平穏”や“解放”を、音楽という形で探し求めた**」と語っています。穏やかな逃避行のようなエクスペリメンタル作品です。[GRRRDEN]