美しく壮大なシネマティック音響空間。ドイツを拠点とするエクスペリメンタル・フォークデュオBrannten Schnüreのメンバーとしても活動するChristian SchoppikによるソロプロジェクトLäuten der Seeleによる最新作。これまでの牧歌的でフォーク調の雰囲気と、既存の音楽のコラージュを軸に楽器の音色を加えていく手法は変わらず引き継ぎながらも、クラシック音楽を中心として緻密に作り上げられた、実験的オーケストラような作品となっています。「Die Mariengrotte als Trinkwasseraufbereitungsanlage」（2022,Hands In The Dark）、「Ertrunken im seichtesten Gewässer」（2023,World of Echo）に続く「水」をテーマにした三部作の最終作でもある本作は、「Die Reise zur Monsalwäsche」（モンサルヴェッシュへの旅）と名付けられ、始まり（「Entschluss, Abschied & Aufbruch」／「決断、別れ、出発」）から終わり（「Verirrung, Ankunft & Erlösung」／「迷い、到着、救済」）まで、精神的な運命の成就を探す神聖な旅が奏でられています。ノスタルジックな音の中にこだまする幻想的な歌声や、脈々と流れる人々の人生や祈りが大河のように混ざりあい、壮大な音の世界が広がります。フランスの実験音楽レーベル〈Hands In The Dark〉からのリリースです。[GRRRDEN]