claire rousayとGretchen Korsmoによるコラボレーション作品が、スロバキアのレーベル〈mappa〉からリリース。

浮遊感のあるピアノの旋律と囁くようなボーカル、そしてフィールドレコーディングの断片が優しく触れ合い、描き出される温かな風景。日常と夢が溶け合い、色褪せたポラロイド写真のような旋律は、儚く親密な心地を届けてくれます。元テキサス在住で、アメリカのDIY実験音楽シーンにおける苦悩と美しさを共にしてきた二人。別々の場所から音源ファイルにアイデアを重ね、互いに送り合うことで生まれた本作は、隣人がふと訪れたインスピレーションに身を委ねる瞬間や、外の喧騒に包まれた街角の情景、洗濯機が最後の回転を終える間に浴室で響く私的な讃美歌など、過去5年間にサンタフェ、サンアントニオ、ロサンゼルス、鎌倉などで録音された音が散りばめられています。互いの音楽的感性が繊細に縫い合わされ、オルゴールを開いた瞬間に溢れてくるような、懐かしさと切なさを帯びた音色が流れる、穏やかで美しい作品です。

『適切な条件がそろえば、かすかに覚えている夢が、曖昧な現在の瞬間と違和感なく溶け合うことがある。ひとりで過ごす時間は、感情という白紙のキャンバスであり、感覚や思考を解体するための機会にもなる――記憶に根ざした断片と、現実から抽象化された断片が縫い合わされたパッチワークのように。』[GRRRDEN]