オーストラリア・ホバートを拠点に活動するSoda Liteが、約3年ぶりとなるアルバムをテキサスのレーベル【Aural Canyon】からリリース。

本作は、現在タスマニア島として知られるオーストラリアのルトルウィタ島（先住民Palawa族の土地）で録音・制作されました。島の多様なバイオームから採取された環境音を中心に、朝と夜、生と死といった自然界の移ろいを温かな眼差しで見つめ、音として寄り添うように紡がれた、柔らかく有機的な作品です。以下は、アーティスト本人による解説です。

地に縛られ、塵にまみれ、陽に灼かれて――それでもなお残るものへの賛歌、崩壊の只中で静かに展開してゆく、煮えたぎる領域への頌歌。世界が噴き出すなかで、適応しながら表現を求めてざわめく雑種のエネルギーたち。太陽光が雲を照らし、温血も冷血も変わらず命をつなぐ。地上の力は、飽和した閃光となって集まり、こだまし、滴り、循環し、ほどけ、反響する。灰色の雲が陽光を吸い取り、夕暮れ時には鳥と蛾が花粉と塵の渦のなかで舞い交い、溶けた樹液は月の潮汐に呼応して樹の脈管を昇る。昼が明けると、かすれたフルートとふくれたドローンが真昼の霞のなかで汗ばみ、貪る精霊たちと、二重の荒野の中で交信を試みる。潮溜まりのうえでは海水が蒸発し、結晶化した塩の層としてきらめき、潮線の下には、波に侵食され、鋼とひび割れたセメントでできた壁が、貝に蝕まれたまま横たわる――死に絶えた世界の名残、海藻とともに繊維のように残されたそれらは、太陽が沈むにつれて、最後の名残の光が静かに風景を染め、砂岩に散らばった星形の化石たちが、まるで天空のルーンのようにきらめき始める。[GRRRDEN]