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Three Amazonian Essays [vinyl]
ニューエイジ・ミュージック再興を担ったヨーロッパの旗手、Dolphins Into The Futureことリーヴォン・マーティンス・モアーナがフィニス・アフリカエのアマゾン探検を題材にした名盤『Amazonia』(1990) を丸ごと音素材として使用し、カットアップして散りばめられたスピリチュアル〜エキゾチズムの傑作。
コンセプトも音づくりもジョン・ハッセルの影響が濃厚なフィニス・アフリカエ『Amazonia』の時代には、まだ秘境とエキゾチシズムの残り香のあったアマゾン地域だが、現在は開発され尽くして消滅の危機もささやかれる状態。本作でモアーナは『Amazonia』の音とフィールド録音を小さなピースに切り刻み、モザイク画にように貼付けて人工性を強調。挿入されたチェーンソーの音が象徴するように徹底的に人の手が加えられたアマゾンの壊滅的な現在を音で具象化する。手法的にはジョン・ハッセルの理論に近いものをデジタルで実行したものだが、空想の世界=第四世界を描こうとしたハッセルに対し、剥き出しのアマゾンの〈リアル>を表現しようとする本作には、ハッセルのユートピア的な世界を歓迎したかつての時代への批評も含んでいるかのようだ。凡庸な〈牧歌的>フィールド録音先品とは全く性格を異にする問題作。[DJ サモハンキンポー]
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