エチオピア正教の修道女であり、作曲家／ピアニストとして知られる Emahoy Tsege Mariam Gebru。生誕102周年を記念して制作されたアーカイヴ音源が、【Mississippi Records】より登場。

本作には、1972年にプライベートプレスで発表されたアルバム『Church of Kidane Mehret』に加え、1963年にわずか50枚限定で制作された自主制作アルバム『Der Sang Des Meeres』に収録されていた2曲を収録。エルサレム各地の教会で、ピアノ、パイプオルガン、ハルモニウムを用いて録音された、エチオピア教会音楽の探求が刻まれた作品です。彼女の人生を通じて育まれてきた深い精神性と、西洋音楽とエチオピアの宗教音楽が融合した独自の音楽性が、霊的でありながらも、慈しみに満ちたやさしさで聴き手を導いていきます。教会の古い石壁に反響する鐘のようなピアノの響きが印象的な「Ave Maria」、優しく心地よいハーモニウムに包まれる「Spring Ode – Meskerem」、そしてエチオピア正教会の典礼詩「Mahlet（マヘレット）」を一音一音ピアノで綴った「Essay on Mahlet」などを収録。内省と祈りへと続く静かな音楽体験をもたらします。ピアニストであり研究者の Thomas Feng による詳細な解説を収めた、12ページのブックレット付き。[GRRRDEN]